インプラントの寿命はどのくらい?
歯を失った場所に歯を補う治療には、入れ歯・インプラント・ブリッジがあります。
選択肢の一つであるインプラントは、健康保険が効かず費用が高い!というイメージはありませんか?
ですが唯一周囲の歯に負担をかけない治療法であり、審美性が高く個人差や状況による違いはありますが、入れ歯やブリッジと比べると最も寿命が長いメリットの多い治療法と言えます。
今回はこのインプラントについてお話します。
「インプラントの寿命」はどのくらい?
ひと昔前
昔にインプラントを学んだ際ある先生から「インプラント本体は20年、被せものは10年で作り変えが必要になることがある」と教わりました。
どういうことでしょう?
口の中で天然歯とインプラントが共存している場合、天然歯は日々わずかに動いているため下に伸びたり横にずれたりします。これにより天然歯とインプラントの位置の誤差が生じる場合があります。
その際は位置の調整を行い、さらに大きな誤差が生じれば作り変えが必要であると考えられています。
また当時のインプラントの被せものはすり減り易い材料が選択されていたこともその理由にあげられます。
今 現在
天然歯が動くという問題は変わりませんが、材料はすり減りが起こらない、自然な色のジルコニアセラミックでインプラント治療を行うのが主流になっています。昔とは考え方が変わってきています。
では埋入手術後のインプラントはいったいどのくらい口の中で長持ちするのでしょう。
文献にもよりますが術後10年のインプラントの平均残存率は95%とも、98%ともいわれています。
ご自身でのブラッシングと歯科医師の指示に従って正しく定期点検を行っていけば、長期で使っていただけることが可能な時代になっているのです。
事実、介護生活においてすべての歯が虫歯になり失われる状況下では、最後まで残るのがインプラントである場面に遭遇します。
また少し話はずれますが、認知症が進行すると、着脱式の入れ歯が食べるための道具であることを認識されず、入れ歯なしで生活している方が多いのです。
そういった意味でも最後まで自分の歯のように長く使えるのは、その構造からご自身の歯とインプラントであると言えるのです。
ではインプラントの寿命を延ばすポイントは、何なのでしょう?
1:セルフケア
ご自身で日々のブラッシングをしっかりと行うこと
2:プロフェッショナルケア
歯科医院での定期点検
永井歯科では3カ月ごとに点検とブラッシング指導、清掃を行います。
中期的にはレントゲン撮影を行い、噛み合わせに異常がないか、細菌が進行していないかなど日常的なブラッシングだけでは対応できない状態を歯科医師が確認し、万が一異常があればしかるべき対応を行います。
定期点検がここまで必要な理由は何なのでしょう?
インプラントはチタンもしくはチタン合金、ジルコニアで作られた人工物です。
インプラント本体は虫歯や歯周病にはなりませんが、日々のブラッシングや清掃を怠っているとインプラントの周りからインプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎が生じることがあります。
これらは手遅れにならないようにしかるべき対処をおこなうことで進行は止められます。
ただし、そのまま放置すると最悪の場合インプラントがグラグラになり抜け落ちてしまうこともあります。
定期点検を受け、上手にインプラントと付き合っていくことこそが、インプラントの寿命を延ばす秘訣と言えるのです。
では、どこの歯医者さんで治療をすれば良いのでしょうか?
ひとえにインプラント手術と言っても、歯医者であればどこでやっても同じというものではありません。
インプラントを長く使っていくためには歯医者選びは最も重要になります。
インプラントは噛み合わせを作るための道具にすぎません。
単に歯が失われたところにインプラントを入れれば良いといった、場当たり的なインプラント治療では不十分です。
「最終的にどのような噛み合わせを作りたいのか?」
「生涯を通して歯列はどのように変化し、今後どのような対応をしてゆくのか?」
といったことまで見越して治療することが重要です。
インプラントの寿命には治療の技術も影響しています。
治療経験と実績もさることながら、考え方がしっかりしている歯医者さんでの治療をお勧めします。
最後に
インプラントは、定期検査を行うことでその寿命を延ばすことがわかってきました。
一方で、インプラントは歯がなくなった箇所にただ入れればよいというものではなく、インプラントを使って長く噛み続けるには、上下左右のバランスを考えた治療計画を立てることが大切です。
永井歯科では、インプラント治療を専門に行い患者様と歯科医師、歯科衛生士が三位一体となって術後のお口の維持や、歯科予防のお手伝いをさせて頂きます。
詳しくは、永井歯科のHPをご覧ください。