世界基準のオールオンフォー治療へ|ICOI国際学会2025参加レポート
2025年11月8日・9日に開催された ICOI国際口腔インプラント学会(International Congress of Oral Implantologists) に参加してきました。
今年の学会は見どころが非常に多く、私自身も大きな期待をもって参加した学会です。
アジアセッションでの最新インプラント治療
アジアセッションでは、韓国・フィリピン・台湾から著名な先生方が登壇し、
- 歯周病とインプラント治療の新しい考え方
- ピエゾサージェリーを活用した低侵襲治療
などが紹介され、とても学びの多い内容でした。
これまで多くのことを教えていただき尊敬している林揚春先生の、「骨が少ない症例に対する上顎洞へのアプローチ」についての講演も拝聴することができ、大変参考になりました。
また、NYUニューヨーク大学卒後研修短期留学プログラム12期のメンバーやお世話になった先生方とも再会することもできました。コース同期の富樫宏明先生・中村武人先生のお二人の講演もあり、活躍されている姿を見て誇らしい気持ちになると同時に、大きな刺激を受けました。
最大の見どころ:Dr. Alex Fibishenko のオールオンフォー講演
今回、私が特に楽しみにしていたのは、オーストラリアのDr. Alex Fibishenko(アレックス先生)による「オールオンフォー」の講演でした。
- インプラント手術
- デジタル補綴(デジタル技術を駆使した精密な被せ物の製作)
この2つを2日間に分けて詳しく学ぶことができ、非常に充実した内容でした。
実は私は昨年、仲間の先生方とアレックス先生のオフィスを訪問し、直接オールオンフォーの治療技術を学びました。
当院のオールオンフォー治療、とくに
- 当日に3Dプリンターで製作する仮歯
- 翌日に装着できる歯
これらは、アレックス先生の指導があったからこそ実現できたものです。
その結果、当院の治療精度、特に噛み合わせの精度と審美性は飛躍的に向上しました。
アレックス先生との対話:翌日装着の“本歯”について
今回の学会では、アレックス先生に「学んだ技術を当院でどう応用しているか」を直接お伝えする機会がありました。
アレックス先生のオフィスでは翌日に最終の“本歯”を入れるのに対し、当院では翌日は仮歯、3か月後に本歯を装着しています。
するとアレックス先生から
「なぜ翌日に本歯を入れないの?入れるべきだよ。」
というコメントをいただきました。
オールオンフォー治療では、術後しばらくすると歯肉が痩せてしまい、食べ物が詰まりやすくなる問題がどうしても生じます。
アレックス先生は、その問題を独自の工夫でクリアし、翌日に本歯を入れられる治療体系を構築しています。
一方、日本人は顎骨が小さく厚い歯肉の面積が少ない傾向があり、全く同じ方法が適応できないと考えています。
それでも、患者さまにより良い治療を提供するため、可能性を追求し続けたいと考えています。
まとめ:より良い治療のために進化し続けます
今回のICOI学会は、最新の知識だけでなく、世界の第一線で活躍する先生方との交流を通じて、これからの治療をより良くするためのヒントを多く得ることができた学会でした。
引き続き、尼崎・西宮・芦屋 ほか周辺地域のみなさまに、「より安全で、より確実なインプラント治療」を届けられるよう努めてまいります。
まずはご相談・セカンドオピニオンへ
「本当に自分でもできるの?」「年齢的に大丈夫?」という方こそ、一度ご相談ください。
CT撮影と丁寧なカウンセリングで、治療の可否と最適な方法を明確にご説明いたします。
※尼崎・西宮・芦屋・宝塚・伊丹エリアからのご相談歓迎です。
この記事の執筆者
永井 康照(ながい やすてる)
歯科医師/永井歯科・矯正歯科 院長
兵庫県尼崎市で、ドイツ式入れ歯とインプラント治療に特化した専門歯科医院を運営。
「他院で難しいと断られた方にも、確かな治療を届けたい」という想いから、骨量不足や全身疾患などの難症例インプラント・精密義歯治療を多数手がけている。
治療の質を最優先に考え、1日あたり1〜4名の少人数診療制を採用。
尼崎・西宮・芦屋・宝塚・伊丹をはじめ県外からも多くの患者が来院している。




