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インプラントの寿命はどれくらい?|後悔しないための基礎知識と長持ちさせる7つの方法

「インプラントは一生もの」と聞いたけれど、本当にそんなに長くもつの?
治療を検討している方や、すでにインプラントを入れて何年か経つ方の中には、そんな疑問や不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

インプラントは、適切なケアを続けることで長期間使用できる治療法のひとつですが、永久的に使えるとは限りません。実際の寿命には個人差があり、口腔内の状態や生活習慣、定期的なメンテナンスの有無によって左右されます。

本記事では、インプラントの平均的な寿命や、寿命を縮める要因、長く快適に使い続けるための習慣、さらに保証制度や再治療のポイントまで詳しく解説します。これから治療を受ける方も、すでに治療を終えた方も、ぜひ参考にしてください。

インプラントの寿命はどのくらい?

インプラントは、見た目や機能面で天然歯に近く、長期間使用できる治療法として選ばれることが多くなってきました。しかし、「インプラントはどれくらいの期間使えるのか?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

このセクションでは、インプラントの一般的な寿命や、影響を与える要因、ほかの治療法との比較についてご紹介します。

平均寿命は10〜15年?実際の残存率データ

インプラントの寿命は、一般的に10年〜15年程度とされています。国内外の研究報告では、治療から10年経過後のインプラントの残存率は90%前後とするデータもあり、多くのケースで長期的に機能していることがわかります。

ただし、これはあくまで「適切なメンテナンスを継続している場合」における数字です。セルフケアや定期的な検診が不足していると、より早い段階で不具合が起きる可能性もあります。

参考: 厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」 歯科インプラント治療のためのQ&A

寿命に影響する主な要因(埋入部位・生活習慣・全身疾患など)

インプラントの寿命には、以下のような複数の要因が影響します。

埋入部位 奥歯は噛む力が強くかかるため、前歯に比べて寿命が短くなる傾向があります。
生活習慣 喫煙、歯ぎしり、食いしばりなどが寿命に悪影響を及ぼすことがあります。
全身の健康状態 糖尿病や骨粗しょう症など、治癒力や骨の健康に関わる病気がある場合、インプラントの予後に影響を与える可能性があります。
日々の口腔ケア 磨き残しによる細菌の蓄積が、インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)を引き起こすことがあります。

これらの要因は一つひとつがインプラントの寿命に関わるため、治療後の生活習慣やメンテナンスがとても重要です。

ブリッジ・入れ歯との寿命比較

歯を失った場合の治療法には、インプラントのほかにブリッジや入れ歯があります。以下は、それぞれの寿命の目安です。

治療法 一般的な寿命 主な特徴
インプラント 約10〜15年(適切なケアでさらに長期可) 骨に埋入するため自然な噛み心地。
高額で手術が必要。
ブリッジ 約7〜8年 健康な隣の歯を削って支える。
入れ歯 約4〜5年 比較的低価格。違和感を感じる方も。

インプラントは、他の治療法に比べて寿命が長く、審美性・機能性ともに優れています。ただし、外科的な処置や費用が必要となるため、医師と相談のうえ、ライフスタイルや健康状態に合った治療法を選ぶことが大切です。

インプラントの寿命が来たときの症状と対処法

インプラントは適切に使用すれば長持ちしますが、残念ながら経年劣化や体質・生活習慣などの影響により、トラブルが生じることもあります。 「何となく違和感がある」「噛みにくい気がする」などの小さなサインを見逃さず、早めに歯科医院に相談することが重要です。

インプラント体や人工歯の破損・ぐらつき

インプラントの土台である「インプラント体」がぐらついたり、上部構造(人工歯)が破損したりするケースは、寿命のサインであることが多いです。

  • 人工歯が欠ける・割れる
  • インプラント体がグラグラする
  • 噛み合わせが合わなくなったと感じる

こうした症状が現れた場合は、放置せずに歯科医院を受診し、原因を確認する必要があります。状況によっては補修や人工歯の交換で対応できることもあります。

アバットメントの緩みや破折

インプラント体と人工歯をつなぐパーツ「アバットメント」が緩んだり、まれに破折してしまうこともあります。 このパーツがゆるむと、噛む力が正しく伝わらず、上部構造が動いてしまうことがあります。

アバットメントの不具合は、比較的修復しやすいケースが多いため、違和感を覚えた段階で歯科医院に相談することが大切です。

インプラント周囲炎の進行と骨吸収

インプラントがダメになる原因のひとつに、「インプラント周囲炎」があります。これは歯周病に似た症状で、細菌の感染により歯ぐきの腫れや出血が起き、進行すると顎の骨が吸収されてしまいます。

初期段階では自覚症状が少ないため、定期的なチェックが非常に重要です。以下のような症状がある場合は、すぐに歯科医院を受診しましょう。

  • 歯ぐきの腫れや出血
  • インプラント周辺の違和感や鈍い痛み
  • 膿が出る
  • 噛むと痛い

インプラント周囲炎が進行してしまうと、再治療や骨再生処置が必要になる場合もあります。

症状が出たときの対処法・再治療の選択肢

インプラントにトラブルが起きた場合でも、必ずしも「すぐに抜去・再手術が必要」というわけではありません。症状や原因に応じて、以下のような対処が検討されます。

状況 対処の例
上部構造の破損 人工歯の修復または再製作
アバットメントの緩み 締め直し・交換
軽度のインプラント周囲炎 専門的なクリーニング、ブラッシング指導
インプラント体の脱落や重度の炎症 インプラントの抜去・再治療(※適応条件あり)

※再治療の可否は、口腔内の状態・全身の健康状態などにより異なります。歯科医師の診断のもと、慎重に判断されます。

インプラントの寿命を縮める原因とは?

インプラントは適切に使えば長持ちする治療法ですが、いくつかの要因によって寿命が短くなることがあります。 ここでは、実際に寿命を縮めてしまうリスクの高い原因についてご紹介します。

喫煙習慣と血流障害

喫煙は、インプラントの予後に大きく影響を与える要因のひとつです。 タバコに含まれるニコチンは血流を悪化させ、歯ぐきや骨の治癒力を低下させるといわれています。

その結果、下記のようなリスクが高まります。

  • インプラント体と骨の結合がうまくいかない
  • インプラント周囲炎のリスクが高まる
  • 術後の治癒が遅れる

喫煙者と非喫煙者を比較すると、インプラントの成功率に差が出るという報告もあります。

歯ぎしり・食いしばりによる過負荷

歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに「過度な力」をかけてしまう要因です。 天然歯は歯根膜というクッションのような組織がありますが、インプラントにはそれがありません。そのため、衝撃を直接骨に伝えやすく、部品の破損や骨へのダメージにつながります。

特に睡眠中の無意識の歯ぎしりは自覚が難しいため、定期検診でのチェックや、必要に応じてナイトガード(マウスピース)の活用が有効です。

メンテナンス不足によるプラークの蓄積

インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病に似た症状である「インプラント周囲炎」になることがあります。 これは、磨き残しなどにより細菌が繁殖し、歯ぐきや骨が炎症を起こす病気です。

メンテナンス不足によって以下のような悪循環が生じます。

  • プラーク(歯垢)や歯石の蓄積
  • 歯ぐきの炎症 → 骨の吸収
  • インプラントの動揺や脱落

これを防ぐためには、日々の丁寧なセルフケアと、歯科医院での定期的なプロケアが欠かせません。

治療精度の低さ(格安インプラントのリスク)

インプラント治療は外科手術を伴う専門性の高い医療行為です。 診断・設計・手術・補綴(人工歯の装着)まで、すべての工程で精度が求められます。

しかし、次のようなケースではトラブルが起きやすくなります。

  • 安価すぎる治療で信頼性の低いメーカーを使用
  • 経験や症例の少ない医師による埋入
  • 事前の骨量評価や噛み合わせ設計が不十分

こうした要因により、インプラントが適切な位置に入らず、力のかかり方に偏りが出て寿命を縮めてしまうことがあります。

価格や知名度だけで判断せず、治療実績・設備・使用するインプラントのメーカーなどを事前に確認することが大切です。

インプラントを長持ちさせる7つの習慣

インプラントを10年、15年、それ以上にわたって快適に使い続けるためには、治療後の過ごし方が非常に重要です。 ここでは、日常生活の中でできる「インプラントを長持ちさせる7つの習慣」をご紹介します。

1. 歯科医院での定期メンテナンス

インプラントの健康を保つには、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。 一般的には3〜6ヶ月に1回の受診が推奨されており、以下のようなことをチェックします。

  • インプラント周囲の歯垢・歯石の除去
  • 噛み合わせの確認と調整
  • インプラントの緩みや異常の早期発見

初期の不具合は自覚しづらいため、予防的な通院が長持ちの秘訣です。

2. 正しいブラッシングとセルフケア

インプラントは虫歯にはなりませんが、周囲の歯ぐきや骨が炎症を起こす「インプラント周囲炎」には注意が必要です。

歯科医院でブラッシング指導を受け、以下のような道具を活用しながら丁寧なセルフケアを行いましょう。

  • 柔らかめの歯ブラシ
  • デンタルフロス
  • 歯間ブラシ

清潔な状態を保つことが、トラブル予防につながります。

3. 歯ぎしり・食いしばりへの対策(ナイトガード等)

就寝中の歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばりは、インプラントに大きな負担をかけてしまいます。

これを防ぐために有効なのがナイトガード(就寝用マウスピース)の装着です。

歯科医院での相談により、自分に合った対策を取り入れましょう。

4. 喫煙を控える

喫煙は血流を悪化させ、インプラントと骨の結合や歯ぐきの健康に悪影響を及ぼすとされています。 喫煙者は非喫煙者に比べて、インプラントの成功率や寿命が低くなる傾向があります。

できる限り喫煙本数を減らす、あるいは禁煙に取り組むことが、インプラントを長持ちさせる一歩です。

5. 噛み合わせの定期調整

インプラント治療直後は噛み合わせが最適でも、年齢や歯のすり減りによって徐々に変化していきます。 噛み合わせがずれると、インプラントに偏った力がかかり、破損や緩みの原因になります。

歯科医院での定期的なチェックと微調整が、長期安定の鍵となります。

6. 骨を丈夫に保つ食生活・生活習慣

インプラントを支えるのは、顎の骨です。 そのため、骨の健康を維持する生活習慣も意識しましょう。

  • カルシウムやビタミンD・Kを意識した食事
  • 適度な運動(骨密度の維持に効果あり)
  • 睡眠・ストレス管理

全身の健康が、インプラントの健康にもつながります。

7. 信頼できる医院・メーカーを選ぶ

インプラントを長持ちさせるには、治療を受ける段階での選択も大切です。 次のようなポイントを確認しておくと安心です。

  • 実績のある歯科医師が担当しているか
  • 信頼性の高いインプラントメーカーを採用しているか
  • 治療後のアフターフォロー体制が整っているか

費用の安さだけではなく、「長く使えること」も視野に入れた選択が重要です。

インプラントに保証はある?再治療が必要なときの費用と対応

インプラントは高額な治療のため、「万が一トラブルが起きたら…」「再治療が必要になったらどうしよう」と不安に思われる方も少なくありません。 多くの歯科医院では、こうした不安に備えて保証制度を設けています。

ここでは、インプラントの保証期間・適用条件・再治療にかかる費用の目安について解説します。

保証期間の目安と条件(5年)

インプラント治療には、治療後に不具合が生じた際のための保証制度が用意されていることが一般的です。 保証期間は歯科医院によって異なりますが、次のような目安があります。

  • 人工歯(上部構造):5年保証
  • インプラント体(人工歯根):5年保証

保証の内容には、修理・再装着・再治療などが含まれることがあり、保証書や契約書をもとに、あらかじめ内容を確認しておくことが大切です。

保証適用外になるケースとは

保証制度があるからといって、すべてのトラブルに無条件で対応してもらえるわけではありません。以下のような場合、保証が適用されない可能性があります。

  • 歯科医院が指定する定期メンテナンスを受診していない
  • 喫煙や全身疾患に関するリスク説明後に同意しないまま治療を続けた
  • 事故や強い外力による破損
  • 患者様側の自己判断による治療中断

インプラントは「装着して終わり」ではなく、「その後の管理が重要」な治療です。保証を有効に保つためにも、継続的なメンテナンス受診が大切です。

保証外の再治療費用の目安(部位別)

万が一、保証が適用されない場合や保証期間を過ぎて再治療が必要になった場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか? 以下は一般的な費用の目安です(※実際の金額は医院や症状によって異なります)。

再治療内容 費用目安(自費診療)
人工歯の再製作・交換 約5〜20万円程度
アバットメント交換 約3〜8万円程度
インプラント体の再埋入 約20〜50万円程度
骨造成(必要な場合) 約5〜20万円程度

治療費の負担を減らすためにも、保証制度の内容確認と定期的な口腔管理はとても重要です。

まとめ|インプラントは「一生使える」可能性も。長く使うための意識がカギ

インプラントは、適切なケアと定期的なメンテナンスを続けることで、10年、20年、それ以上にわたって使い続けられる可能性がある治療法です。 ただし、「一度入れたらずっと大丈夫」というわけではなく、日々の習慣や通院の積み重ねが寿命に大きく影響します。

寿命を縮めるリスク要因には、喫煙や歯ぎしり、セルフケア不足などが挙げられますが、これらは多くの場合、ご自身の意識と行動によって改善できるものです。

インプラント治療を受ける前の不安、受けた後の不具合、再治療の費用といった不確かな情報に惑わされず、信頼できる歯科医院でしっかり相談することが大切です。

治療後も「通い続けること」を前提に、予防・管理を意識すれば、インプラントは「自分らしい食事や会話を守る力強い味方」になります。

長く快適に使い続けるために、できることから少しずつ始めていきましょう。

当院には、インプラント治療に豊富な経験を持つ専門医が在籍しており、治療の流れやリスク、費用についても丁寧にご説明いたします。

また、静脈内鎮静法にも対応しているため、「手術が怖い」という方でもリラックスした状態で治療を受けていただけます。

まずは話を聞くだけでも大丈夫です。

不安なこと、わからないこと、何でもご相談ください。 あなたにとって最適な選択ができるよう、私たちが全力でサポートいたします。

永井歯科ではインプラントに関する様々な情報をお伝えしています。
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