高齢者とインプラント・介護生活を視野にいれたオールオンフォー
期間の長短はあるにせよ、人の多くは年齢を重ねるにつれ介護生活を迎えます。
介護生活を迎えて通院が困難になった時、寝たきりになった時、インプラント治療を行った高齢者はどのように口の中をケアしていけば良いのでしょうか?
―All on 4 オールオンフォー(歯を一つなぎにしたインプラントブリッジ)の場合
ひと昔前には、介護者が口の中の衛生管理を簡単に行えるように「インプラントの歯は外して入れ歯(総入れ歯)にした方が良い」という考え方もありました。
もしもインプラントがグラグラで、使い物にならないのであれば入れ歯にするのも一つです。
しかながら、インプラントが普通に噛む道具として機能し使えるのであればそのまま使うべきです。
普通に噛めているにもかかわらず、入れ歯を作るなんて本末転倒であると私は考えています。
要介護になっている方にとって、新しい入れ歯を作り、使うことはとても大変な出来事です。
新たな入れ歯を作るとQOL(quality of life)が一気にさがる恐れがあるのです。
どうしようもない状況であれば、リスクを負ってでも新しい歯を作る必要がありますが、困っていないのであれば安易に変えるのは得策ではありません。
基本的なことですが、入れ歯は取り外すものであり、インプラントは体に着けたままで取り外すことなく自分の歯のように使うものです。
認知機能の低下した高齢者は、入れ歯を食べる道具として認識できない場面にしばしば遭遇します。
そういった面からも、インプラントは介護生活に入るからといって必ずしも外す必要はなく、最後まで使い続けるのが良いと思うのです。
―天然の歯 vs. インプラント
超高齢者や介護生活患者のお口の中を見てみると、天然歯よりインプラントが強いことがわかってきています。
高齢になると唾液量が減ります。唾液が減ると歯根面の虫歯が多発し歯が次々に失われる場面にしばしば陥ります。
高齢者には、長くなった歯の根っこの部分(歯根面)に虫歯が進行し歯が失われるのです。
虫歯が起こると、天然の歯はすぐにダメになり、折れたり抜けたりしながら歯が失われます。
インプラントは虫歯になりません。適切に歯ブラシを使い家族や介護者がしっかりとブラッシングを行うだけで良いのです。
更にいうとAll on 4(オールオンフォー)の場合は、インプラントが上下それぞれ4~6本なので、天然歯が上下14本ずつ残っている場合よりも非常に磨きやすく管理しやすいのです。
All on 4(オールオンフォー)にトラブルが万一生じたら
- インプラントを補修できれば補修する
- 多少のトラブルが生じても使えれば使いきって人生を遂げる
- ブリッジだけを外して、総入れ歯に変更する
- 3の総入れ歯にプラスして使えるインプラントで入れ歯を補助する。つまりロケーターというスナップのようなもので入れ歯を止める。いわゆる2IOD(2インプラントオーバーデンチャー)にする。
と、まだまだその先には可能性は残っています。
永井歯科では、インプラント治療のその先もしっかりと見据えて治療を行っています。
私で良ければご相談ください。
Das Beste, oder nichts 「最善か無か」
永井歯科ではインプラント治療に関する様々な情報をお伝えしています。
All on 4 についてYouTube動画で院長が、わかりやすく説明していますので是非ご覧ください。