上の入れ歯の作り変えを希望したのに・・・
来院のきっかけ
上アゴは、残った天然歯1本に金具をひっかけた部分入れ歯を装着され、下アゴは、銀歯やかぶせ物が入っています。
上の入れ歯はゆるゆると動きうまく噛めず、やわらかいものばかりを選んで食べるという生活が続いています。
「上の入れ歯を作り変えたい。しっかり噛めるようになりたい!」と来院されました。
来院して
Eさんは上アゴの入れ歯の作り変えを希望されています。
噛み合わせの検査を行い、治療方法を検討しました。
結果として上の入れ歯を単に作り変えただけでは噛めないと判断しました。
入れ歯治療は私たち歯科医師にとって、難易度の高い治療のひとつです。
上アゴ、下アゴのどちらか一方に入れ歯が入っている場合、入れ歯を安定させるためには上下の噛み合わせが一定の条件を満たしている必要があります。
ではEさんの場合はどうしたら良いのでしょう。
総入れ歯には「フルバランスドオクルージョン」と言う、入れ歯が安定する噛み合わせあります。
あごを前後左右いずれの方向に動かしても、入れ歯は上下左右どちらも常に当たり、ガタガタと動かない噛み合わせです。
Eさんのケースでは、下のブリッジをこのまま使って治療しても、フルバランスドオクルージョンにはならない。つまり良い結果は出ないという結論に至り、上下全て作り変えることにしました。
繰り返しになりますが、総入れ歯の噛み合わせは特殊です。
前後左右どこに動かしても当たる噛み合わせで作らなければ全く安定しません。
治療
上アゴ
上アゴは天然歯が1本残っていました。
残った1本の歯は形を整えて残すことにしました。
その歯を覆う形で、総入れ歯をお作りしました。
下アゴ
ブリッジを外したその下に歯が残っています。歯が傷んでいるとはいえ抜くにはもったいないと判断しました。歯をつなぐことで強度が増し、ご自身の歯がだめになるまではご自身の歯をブリッジで活用することにしました。このブリッジに与える噛み合わせはフルバランスドオクルージョンです。
通常は入れ歯の噛み合わせを作る際、大きくて精密な咬合器を用いて上アゴには入れ歯の人工歯をならべ、下にはブリッジの形を蝋でデザインすることを手作業で行います。
現在永井歯科ではこの作業を、噛むという歯の機能を最大限に引き出すために、コンピューターを駆使してじっくりと考えながら、上下が左右に動かしても前後に動かしても、最適に噛むようにデザインしていきます。
この技術を用いておつくりした入れ歯とブリッジを、Eさんに装着し治療は終了です。
治療後に行ったアンケートからも分かるように、食事面も生活面も改善されています。
最後に
今回のように入れ歯が合わず、入れ歯の作り直しを繰り返す患者様は多くいらっしゃいます。
原因は、入れ歯そのものではなく上下の嚙み合わせです。
私で良ければご相談ください。
永井歯科ではインプラント治療・入れ歯治療・ドイツ式入れ歯に関する様々な情報をお伝えしています。
治療について詳しくは下記リンクよりご覧ください。
下:ブリッジ セラミック
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