来院のきっかけ

5年前、入れ歯の調子が悪く右肩まで痛くなりました。入れ歯を外すと肩の調子が良いため、それ以来入れ歯は外したまま過ごされています。
現在は右の歯で噛むと食事が詰まり、左上の歯は疲れると痛み、浮いてくる。
暖かいものや冷たいものがしみて痛みがある。
口腔内にさまざまな悩みがありながらも、治療は半ばあきらめていました。

HPの「歯科治療はこれで最後に」
この言葉に勇気をもらい、永井歯科に来院されたのです。

来院して

まずはトリートメントコーディネーターがじっくりとお話を伺います。
永井歯科では初診時に、口の中を知るための多くの検査を歯科医師、歯科衛生士で行います。

口の中を見てみましょう。

写真は物を噛むときに自然に行っている噛み合わせです。
赤●印　左側の犬歯は、上下の噛み合わせが少し弱い気がします。

次に石膏模型を見てみましょう。

上下それぞれの型を石膏に流して出来た模型と、顎が自然に閉じてきたところで記録した歯型を咬合器にのせて顎が噛みたい噛み合わせを石膏模型で再現しています。

診ると糸切り歯は全く噛み合っていません。

口元を下から撮影した写真からも左上の犬歯が外に逸脱しているのがわかります。
これでは奥歯に大きな力がかかり、奥歯が痛んでしまいます。上下の犬歯がきちんと噛み合わされば奥歯が痛むことがないのです。

犬歯とは、歯の中心から左右3番目に位置し、「糸切り歯」とも言われています。
根の長さが最も長く、表面積も広い。更には知覚が敏感な歯なので噛む力を制御してくれる歯です。

「犬歯は横に歯軋りした際、積極的にあたることで奥歯が離れる噛み合わせになる。」

これが前歯によって奥歯が守られる理想の噛み合わせです。

Cさんの場合、犬歯の噛み合わせが悪いため横にずらした際、奥歯がガツガツ当たる噛み合わせになっていました。これでは奥歯は守られず、壊れて失われます。
これまでBさんが治療してきた右下奥歯が失われた原因は、実は左の犬歯にあります。
更には左上の奥歯が痛んでいる原因もこの左の犬歯の噛み合わせなのです。
ここから全体の噛み合わせに悪影響を及ぼす噛み合わせが生じていたと考えられます。

単純に歯がなくなった右下に歯を入れる　　
左上がおかしいから治すという治療では今後もずっと治療を繰り返します。

犬歯やその周りの歯がきちんと役目を果たせるように噛み合わせを作ることが今回の治療の重要な課題だと考えました。

必要にして最小限の治療。
噛み合わせを考えて必要な箇所にはかぶせ物で全体を整えました。

治療

上2本、下3本のインプラント埋入手術を行い、術後は仮歯でお過ごしいただきます。
全体の噛み合わせを整えるため、犬歯にはかぶせ物をしました。

仮歯の段階で、犬歯の噛み合わせや、しゃべり易さなど調整していきます。

仮歯で何度か調整を行い、犬歯の噛み合わせも問題がなければセラミックの歯をかぶせて治療は終了です。

食べることが大好きだったCさんの食生活は大きく改善され、
生活面でもつらさや不快感から解放されています。

最後に

今回の治療は一見すると、歯がないところにインプラントを入れるだけのなんてことのない治療に感じると思います。
ですが、歯科治療は家の骨組みと構造がよく似ています。
傾きかけた家を治すとき、傾いた柱を取り換えただけでは家はまた時間と共に傾きます。
口の中も同じで悪くなった歯だけ、歯がなくなった箇所だけの治療では治療の繰り返しになります。
口の中全体を把握し、全体のバランスを考えて必要最小限の治療を行うことが最も大切です。

Cさんは遠方からお孫さんと電車を使って通院されていました。
永井歯科では１回の治療時間を長く設定し、通院の回数を減らすことで患者さんの負担も軽減しています。

どのようなお口の中であっても、正しく状況を捉え、必要なことを考え、正しい噛み合わせ、きれい、そして丈夫な口元をお作りするよう最大限努力しています。

私で良ければご相談ください。

永井歯科ではインプラント・入れ歯・ドイツ式入れ歯に関する様々な情報をお伝えしています。
詳しくはHPをご覧ください。

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■治療内容

インプラント 被せ物
模型診断・噛み合わせのデザイン製作・仮歯・セラミック

■治療期間・回数

7か月　8回

■費用
¥3,392,400（自由診療）

■リスク・副作用
インプラント手術は高齢や持病によってはできない場合もあります。
清掃を怠ると歯周病やインプラント周囲炎が起こることがあります。