来院のきっかけ

右下奥歯の部分入れ歯は合わず、外したまま２年が過ぎています。
左下奥歯の詰め物は、グラグラして噛めない状態です。
今は前歯でしか噛めておらず、歯医者さんで相談したところ治療は難しいと断られました。
手の施しようがないのだと治療はあきらめていましたが、この先を考えるととても不安になり永井歯科に来院されました。

来院して

右下奥歯の部分入れ歯は、前の歯医者さんで何度も調整されていましたが、結局痛くて合わず使われていません。
型取りを行い模型で診断を行いました。診ると上の歯が伸びており下の歯が入る場所がありません。入れ歯を作る際、上下左右のバランスを考えずに入れ歯を作ったとしてもなかなか合いません。

左下２番３番４番は本来の位置よりも歯が外側に並んでいます。
通常これら前方の歯は、歯をずらした際に上の歯とわずかに当たることで奥歯を守る役割を担いますが、その役目を果たしていません。
このことが原因で奥歯に大きな負担がかかり、右下奥歯は失われ、左下奥歯のブリッジが壊れたと考えられます。左下奥歯のブリッジの歯は虫歯になり、もうグラグラです。

顎を自然に閉じていくと、噛み合わせが左にずらされていきます。
そのためDさんは噛みづらさと噛み合わせの違和感を訴えていました。
歯列全体を見渡し、上下と前後左右の噛み合わせのバランスを考えて治療することはとても大切である。ということがここでもわかります。

治療のながれ

模型診断の後、全体の噛み合わせのデザインを考えました。

次に右下２本、左下２本　計４本のインプラント手術を同じ日に行いました。

―右下奥歯（インプラント２本とかぶせもの）・右上奥歯
右下奥歯にインプラントを２本入れインプラントがくっつくまで８週間待ちます。
手術後8週で右は骨にくっついた為、仮歯をお作りしました。
右上６番７番は、上下のバランスを考えて伸びた分だけ短く修正し、かぶせ物にしています。

―左下奥歯（インプラント２本とかぶせもの）
左下奥歯は骨が大きく失われていました。インプラント埋入手術時に、インプラントの周りに骨の薬を入れ、骨が出来て骨とくっつくまで歯茎を閉じて１６週間待ちます。
その間、左下奥歯には１つ目の仮歯を入れ生活に不自由のないようにお過ごしいただきます。
この１つ目の仮歯は奥のインプラントを守るために、インプラントに力がかからない設計にしています。

術後1６週が経過し、骨が出来て骨とくっついたため２つ目の仮歯を入れました。
１つ目の仮歯と２つ目の仮歯は、それぞれに役割が異なるため形も設計も違っています。
2つ目の仮歯で上下左右しっかりと噛めて、前後左右にスムーズにずらすことが出来るようになりました。お手入れも適切にできていることを確認し、本物のセラミックの歯を製作し治療は終了です。
噛み締める際に生じるずれも調整したため、噛み合わせの違和感はなくなりました。

まとめ

今回のケースでは、歯が失われている部分と残せなくなった歯の部分に単にインプラントを入れただけでなく、その周辺部に必要にして最小限の治療を加えることでバランスの良い噛み合わせをお作りしています。

最後に

Dさんのように、治療を断られて治療を断念する患者さんは多くいらっしゃいます。
永井歯科でも一度は治療をあきらめた患者様を多く治療してきました。
1つの治療に治療法は１つではありません。
勇気を出して一歩踏み出せば、必ず自分に合った治療がある。というのがDさんの今の気持ちです。

私で良ければご相談ください。

永井歯科ではインプラント治療・入れ歯治療・ドイツ式入れ歯に関する様々な情報をお伝えしています。

治療について詳しくは下記リンクよりご覧ください。