相談内容

欠損歯が多いが、一番困っていることは、左上前歯から左上奥までの部分入れ歯が合わないこと。その為、食事がしづらい、しゃべりづらい、発音もきちんとできないので、治療法を相談したいと来院されました。

来院して

TCによるカウンセリングでは、患者さんの「どうなりたいのか」をしっかりとお聞きします。

Cさんの希望は、最終的に「一番は他人とのコミュニケーションをとる際、普通に笑顔でコミュニケーションがとりたい・・」「これが最後の治療になるように長持ちさせたい」ということでした。

1カ月前、左上前歯から左上奥までのブリッジが壊れたため、部分入れ歯を作られていました。
右下、左下の奥歯は歯がない状態で過ごし、奥歯がないことには慣れていたようです。

口元の写真

上下で噛み合わせたとき、前歯は上下が適切なところで接触せず、深くすれ違っています。
更に石膏模型で見ると、右上4番右下4番の奥歯は1本しかあたっていません。前歯もすれ違い、噛み合わせがとても深い状態です。これでは噛むことができません。

本来噛み合わせとは、前歯も含めて奥歯も上下左右で均等に当たることが理想です。
全体で均等に噛める噛み合わせを作る必要があり、相談のうえ様々な選択肢の中から、上は入れ歯、下はドイツ式入れ歯レジリエンツテレスコープで治療することに決定しました。

付け加えてお話すると、このような難症例に一般的な留め金式の入れ歯を装着しても安定しません。
残った歯がぐらぐらになっては抜けてくる、を繰り返します。

更には噛むと痛い、噛みにくい、食べ物が留め金や入れ歯の隙間に挟まる、といった不快感を体感されている方が多いはずです。

レジリエンツテレスコープとは

レジリエンツテレスコープ入れ歯は、総入れ歯と同様に歯茎全体で歯列全体の噛む力を支えることで、噛めない悩みを解消します。残っている自分の歯が3本以下などの少数歯が残っている際に適応する入れ歯です。

残った自分の歯に小さな筒（クラウン）をかぶせ、入れ歯側にも筒をセットし二重の筒（ダブルクラウン）で入れ歯を安定させることができます。

この二重の筒で覆うことにより、入れ歯の横揺れを防止し、残った歯に直接噛む力がかからないような設計になっています。

副次的なメリットとしては、歯を抜くと歯茎はものすごく痩せていきますが、歯が少しでも残っていることで歯茎のボリュームはしっかり保たれるので、入れ歯の安定には有利です。

これがレジリエンツテレスコープ入れ歯の強みです。

治療

全体の噛み合わせを考え、残せる歯と残せない歯を整理していきます。
赤●印以外の歯は残さないと判断しました。

残す歯は筒（クラウン）で覆い、歯を守りながら仮歯でお過ごしいただきます。
仮歯での生活は、口の中の異物感や痛みのストレスでしんどい時期があったと思います。

そのしんどい時期を、歯科医師と患者の間で意思の疎通をしっかり行い、信頼関係を築きながら仮歯の調整を丁寧に行い乗り越えてこられました。

抜歯後の歯茎の状態が落ち着いたところで、上下顎同時印象法にて型とりを行い最終の入れ歯を製作します。

上下顎同時印象は、入れ歯・嚙み合わせ治療のレジェンド、稲葉繁先生が開発した治療法です。上下の歯型と上下の噛み合わせ、更にはお口のボリュームを的確に一つの情報として同時に収集する方法です。

最終の歯の仮合わせでは、高さ、見た目、しゃべり易さ、噛み合わせなどを調整していきます。
全てにおいて問題がなければ、本物の入れ歯をおつくりし治療は完了です。

食べられるようになったものも増え、生活も大きく変化しました。

最後に

「歯が失われたところだけに歯を入れる」これでは、根本的な解決にはなっていません。

長い人生において、自分はどうありたいのか。
歯に何を求め、その歯はどうあってほしいのか、ということをきちんと考えることに尽きると思います。

私で良ければご相談ください。

永井歯科ではインプラント・入れ歯・ドイツ式入れ歯に関する様々な情報をお伝えしています。
詳しくはHPをご覧ください。

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■治療内容

入れ歯 被せ物
模型診断・噛み合わせのデザイン製作・仮歯・セラミック

■治療期間・回数

1年3カ月・21回

■費用

¥3,300,000（自由診療）
仮入れ歯　調整修理、最終のテレスコープ入れ歯、調整を含む。
治療費は治療開始時に治療計画から総額を確定し、治療を始めます。

■リスク・副作用

残った歯に被せる際、ごくまれに歯に痛みが出る場合があります。