その場しのぎの治療で限界に。痛みに日々耐えていた患者さん
1年かけて総合的な治療を行った治療当時40代、現在50代の男性の症例です。
2015年に総合治療を終え、現在は定期点検に年に3度ほど通院されています。
いまは痛みや苦痛もなくなり、結果としてこの方にとって100点満点の治療ができたと、患者さんも私たちも実感できています。
しかしながら総合治療を行うまでは長い道のりがありました。
2008年から2015年までは、痛んだ時だけ、歯がなくなった時だけ、その都度その部分だけの治療を求めて永井歯科に来院されました。
現在では、永井歯科は総合的な咬み合わせ治療を行っています。ですので、こういったその場限りの場当たり的な治療を求めて来院される方はいらっしゃいません。
その場しのぎの治療は時間の浪費
2008年のレントゲンと2015年のレントゲンと口腔内写真です。
たしかに7年間で残せない歯は抜かれ、被せ物や入れ歯が入りました。しかしながら7年間の断続的な治療の末に、咬めている歯の本数はほとんど変わりません。右下にも健康保険の入れ歯もつくりましたが、装着感も悪く結局使っていませんでした。
当時は下の歯が上の歯の裏側を突き上げて、身体的に痛い思いを日々していたそうです。
また片方しか嚙めないのでしっかり噛めず、柔らかいものを選んで食べていました。いわば丸呑みです。
いよいよ、その場しのぎの治療への打つ手は無くなり、これまでと同じ治療を続けることは困難になりました。
そこで当院から以下のご提案をお伝えしました。
・健康保険では、総義歯以外で咬み合わせのための総合治療はできないこと。
・しっかりと噛むためには保険の部分入れ歯では対応できないこと。
・治療には計画的な通院が必要になること。
・費用は安いに越したことはないが、インプラントを含めある程度の出費が必要なこと。
・相談に先立ち5万円の費用をお支払い頂き、最終形態のデザインを作り、方針を決めること。
この5点を前提条件とした上で、数回の方針と総額の治療費用のご相談に移りました。
相談の上では予算的な制約もありましたし、入れ歯はイヤで被せもので対応してほしいというリクエストもありました。
これらは現実的には非常に難しいリクエストでした。
長持ちしなさそうな歯もたまたま何とか残りましたが、近い将来のリスクは残ります。
歯を残すことは一見いいことのようですが、弱い歯を残すことで、短期間でダメになる歯が生じるなど、総合治療をするときにはマイナスになる面もあります。
その際の費用と時間の出費は患者さまが負担しないといけないことを同意して頂きました。
インプラントは3本使用し、あとは全て被せもので治療は終えています。
仕事で忙しい方でしたが、仕事の合間や土曜日を利用して時間調整をし、1回に2時間ほどの時間を約束しました。月に1ないし2回ほどの通院でしたが、1年の間ずっと定刻通りに通院して頂けました。計画治療には時間の約束を出来ることが欠かせません。
治療後から3年以上経過しましたが、その後大きなトラブルもなく良好に経過しています。
治療を終えて、いまでは食べられるものを選ぶ必要はありません。お肉でも何でも食べられています。入れ歯や口の中の煩わしさからも解放されました。
何でも食べれられる。当たり前のことのようですが、以前は歯の不具合を騙し騙しでしのぐことが習慣になっていたそうです。それがなくなり、「何でも普通に気にせず食べられるのが有難い」と実感されています。
咀嚼力判定のためにグミを噛んでいただいていますが、治療後は10段階で8まで噛める状態に回復しています。
歯は、前歯から奥歯までそれぞれに役割があります。
「1本くらいいいであろう」ではなく、1本1本に大切な役割を与えなくてはなりません。そうすることで、歯列全体が保たれ長持ちします。
永井歯科ではインプラント・入れ歯・ドイツ式入れ歯に関する様々な情報をお伝えしています。
間違いのないインプラント治療を選択されてください。
■治療期間と費用
・治療期間:約1年
・治療費用 インプラント1本45万円~ セラミック1本20~18万円
■リスクと副作用
インプラントも日常の清掃やメインテナンスを怠ると、天然歯の歯周炎のようにインプラント周囲炎が起こります。インプラント治療は外科処置です。一般的な外科処置の偶発症が起こる可能性があります。神経の治療をした状態の悪い歯は治療後に歯が抜ける、歯の根が折れることがあります。