症例紹介

「自分の歯のように使えるようになりたい・・・」ドイツ式入れ歯に賭けた想い

【case60】80代女性の症例
「自分の歯のように使えるようになりたい・・・」ドイツ式入れ歯に賭けた想い

「入れ歯が自分の歯のように使えるようになりたい」Fさんの想いです。

下の映像は、Fさんの治療後の様子です。
入れ歯をギシギシ横に動かし、カチカチと上下に動かしています。

スムーズな噛み合わせができています。
更に出来上がった入れ歯は引っ張ってもなかなか取れません。

Fさんは来院時に留め金式の部分入れ歯を装着されていました。
最初の歯医者で健康保険の留め金式部分入れ歯、2つ目、3つ目の歯医者では自由診療で部分入れ歯を作られています。

入れ歯をいくら作り替えても調整しても痛みはとれず、食事には時間がかかる。食後は入れ歯の留め金や入れ歯の下に食べカスが潜り込み食後の手入れが大変だったようです。

残っている歯は長く複雑な形をしているため、歯ブラシも大変です。
どうすればいいのか、どこに行けばいいのか、悩まれていました。

来院して

しっかりとお話を伺いお口の中の検査を行います。
口の中を見てみましょう。

上は左に歯があり、下は主に右に歯があります。上下で反対側に歯が残っています。
噛み合わせは左右ですれ違いの状態になり、この場合の部分入れ歯つくりは、超難症例になります。

Fさんの入れ歯は作って1年以内と新しいにもかかわらず、入れ歯と部分入れ歯の間に段差が生じ平面が凸凹しています。

凸凹になると正しく噛めません。
出来るだけ凸凹が生じないように均等な平面で入れ歯を作りたい。

けれど、結果的に凸凹になってしまうのがすれ違いの噛み合わせです。
一般的な部分入れ歯での対応は、うまくいきません。

このような場合、治療の提案として考えられる治療法は4つあります。

1:部分入れ歯の下に補助的なインプラントを入れ噛む力をインプラントが支える

2:インプラントと残った歯で歯をつくる

3:残った歯を活用し総入れ歯に準じた入れ歯

4:インプラントを活用し総入れ歯に準じた入れ歯

要するに歯列全体をひとつながりのものとし、一部分だけが沈まない構造にする。
これに尽きます。

Fさんとお話しながら様々なことを検討しました。
治療法3番の総入れ歯に準じた治療であるドイツ式入れ歯の一種 レジリエンツテレスコープ入れ歯を入れることに決まりました。

レジリエンツテレスコープ義歯とは、歯がわずかに残った際に利用する入れ歯です。
外見上は総入れ歯に似ており残った自分の歯に内冠、入れ歯の裏側に外冠を組み込み、重ねあわせるように装着します。

残っている歯を守るため、噛む力は歯ではなく全て粘膜にかかるように仕上げています。

治療

まず初めに天然歯を活用して総入れ歯を作る準備をしていきます。

① 元々の部分入れ歯、ブリッジを取り除き口の中の型とりを行います。

残せる歯と残せない歯を整理し残せない歯は抜歯します。
その際、生活に困らないように事前におつくりした1つ目の仮歯でお過ごしいただきます。
この仮歯を作る日は、半日間の貸し切り状態で治療を行います。

② 抜歯した穴が治ったころに、上下顎同時印象法にて型とりを行い2つ目の仮歯でお過ごしいただきます。

上下顎同時印象法とは、顎の運動で求めた噛み合わせの中心の位置で上下同時に口の中のボリュームの型を採ります。そのため口のボリューム通りに入れ歯を作ることができます。

③ 入れ歯の装着後、入れ歯で痛む部分を数回調整し、入れ歯治療は終わりました。

いまでは痛くて歯医者通いを繰り返す必要はありません。歯の予防と入れ歯の定期健診に通うのみです。

留め金式の部分入れ歯の際、部分入れ歯が自分の歯茎に添わなかったことで食べ物が詰まり食後は掃除が大変だったFさんですが、今の入れ歯では歯が小さくなっているため、歯磨きが楽だとお話してくださいます。

装着後1年たった今では、自分の歯のように徐々に使いこなせるようになったそうです。

最後に

Fさんのような上下左右のすれ違い状態の咬み合わせは、歯医者にとって非常に難しい症例です。
永井歯科では噛み合わせを重視し、どんなに小さな治療であっても、上下左右お口全体を捉えて治療することが大切だと考えています。

ただ悪くなったところを治すだけ、歯がないところに歯を入れるだけの治療は行っていません。

1つの症例に対して、歯科医師の考え方は様々です。
どこでやるのか、だれに診てもらうのかによって患者さんの治療後の人生は大きく変わってきます。

どのような複雑な状況のお口の中であっても、正しく状況を捉え、必要なことを考え、正しい噛み合わせ、きれい、そして丈夫な口元をお作りするよう最大限努力しています。

私で良ければご相談ください。

永井歯科ではインプラント・入れ歯・ドイツ式入れ歯に関する様々な情報をお伝えしています。
詳しくはHPをご覧ください。


■治療内容

上下:ドイツ式入れ歯レジリエンツテレスコープ
模型診断・噛み合わせのデザイン製作・仮歯

■治療期間・回数

1年6カ月・14回

■費用

¥3,300,000(自由診療)

■リスク・副作用

入れ歯は、装着後お口に慣れるまでに少し時間を要する場合があります。

お問い合わせ・ご相談

お一人お一人しっかりとお時間をおとりして
診療しております。
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