症例紹介

重度の歯周病が原因で、残った2本の歯もグラグラして噛めない方の治療方法

【case55】60代女性の症例
重度の歯周病が原因で、残った2本の歯もグラグラして噛めない方の治療方法

重度の歯周病の患者さんです。

来院のきっかけ

2年前に作った上アゴの入れ歯が合わず、残った2本の歯もグラグラして噛めない。
噛めるようになりたいと永井歯科に来院されました。

来院して

来院されたときのレントゲンを見ると下アゴの赤いマル印は、歯周病や虫歯で悪くなっています。
治療とは悪くなった歯を抜いて、そこに単に入れ歯を作ればよいという話ではありません。

どのような治療をするのかも大事ですが、その治療が結果としてしっかり噛めて長持ちすること。
シンプルにこれに尽きます。

その解決策の柱は、どのような噛み合わせを作るのかということです。
上アゴの入れ歯の安定のためには、下アゴの歯はどのような治療が必要なのかをしっかりと考えます。

口の中を診ていきましょう。
身体の水平軸・垂直軸を合わせて型採りした模型を使って考えていきます。

上の歯と下の歯が噛み合わさった時、噛み合わさる平面がガタガタで左に傾いていることがわかります。

下アゴは、飛び出している歯や下がっている歯がありデコボコです。
上に残った天然歯2本も下に伸びています。

これでは噛み合わせが不安定でスムーズには噛めません。

歯周病治療を繰り返していたSさんですが、今もまだ歯周病が進行しています。
歯周病治療の成功の秘訣は、歯周病治療と噛み合わせ治療を的確に行うことです。

噛み合わせが安定しない歯周病治療はいつまでたっても噛めない、歯周病が止まらない、次から次に抜ける、入れ歯の作り直しの繰り返しなのです。

では、Sさんにはどういう治療が適しているのでしょう。

噛む力を歯茎全体で受けることができる総入れ歯に準じた形と、噛み合わせが安定します。
入れ歯の設計と噛み合わせは重要です。

私が出した治療方針は

上アゴはオーバーデンチャー(総入れ歯の一種)。
下アゴはブリッジ

Sさんのように少数の歯だけが残った状況で入れ歯を作る場合、残った2本の天然歯を短くし入れ歯で覆います。
歯を残すことで、骨が痩せていくことを防ぐ効果があります。

下アゴはインプラントを少し活用する手もありますが、今回は残った歯を活用してブリッジで覆うことにしました。

歯周病治療

歯周病菌の検査を行うと、歯周病菌のなかでも悪玉菌が多数存在していました。

当院にて一般的な歯周病治療と歯周病の外科処置、ブラッシングや生活の指導を行っています。
歯周病菌は大幅に減少しました。

歯周病菌の悪玉菌である、P.g菌・Td菌・T.f菌、A.a菌、F.n菌など全ての項目で菌数は減少し、正常値になりました。

重度歯周病では、歯周病菌をできるだけ数値化、見える化し管理するように心掛けています。

またグラグラで長く残せない歯、噛み合わせを支えることができない歯は整理しました。

歯周病治療と同時進行で、1つ目の仮歯をおつくりします。
噛み合わせ診断模型を使い、しっかりとした噛み合わせのデザインを考えました。

次に1つ目の仮歯を使って上下で噛んだ時の口の中の状態を型とりします。
入れ歯は噛んで使うので、噛んだ状態で作るのがぴったり合うと実感しています。

この手順を踏んで、2つ目の仮歯をおつくりします。

こだわりのポイントは勿論噛み合わせです。
上下どちらかが入れ歯の場合、インプラントや天然歯の噛み合わせでは噛めません。

特に総入れ歯ではフルバランスオクルージョンという噛み合わせが必要です。
全体で均等に噛めて、左右に動かしても前後に動かしてもガタつかない噛み合わせです。

最終の仮歯は本番の歯と同じ形を意識しています。

この最終の仮歯で見た目、噛み合わせ、装着感、しゃべり易さなどを評価します。
問題ないと判断できれば、3Dスキャナーを使用し最終の入れ歯とセラミックブリッジに置き換えて、治療を終えています。

最後に


今回のように入れ歯が合わない、噛めない、歯が抜けては入れ歯の作り直しを繰り返す患者様は多くいらっしゃいます。

原因は、個々の歯の問題だけではありません。
全体の嚙み合わせが悪影響を及ぼしていることが少なくないのです。

私は大学卒業後、噛み合わせについて多くを学びました。
しかし、なかなか患者様に還元できる場がありませんでした。

以前までの永井歯科は健康保険の診療を軸に治療を行っていたため、患者一人当たりの診察時間がとても短く、噛み合わせ治療は片手間になっていたからです。

噛み合わせ治療を行うには診療体系の変換が必要でした。

現在の永井歯科では、噛み合わせ治療を軸に患者様一人に対する診察時間を長く設定し1日に診察できる人数を4名までと大幅に変換しました。

今では、これまで学んだすべてのことを治療に還元できていると実感しています。
噛みたい方々の本気の悩みに本気でお応えする。
噛みしめる喜びをお届けするお手伝いができていると実感しています。

私で良ければご相談ください。

永井歯科ではインプラント・入れ歯・ドイツ式入れ歯に関する様々な情報をお伝えしています。
詳しくはHPをご覧ください。


■治療内容
上:シュトラックデンチャー
下:セラミックブリッジ
模型診断・噛み合わせのデザイン製作、仮歯2つ、歯周病治療

■治療期間・回数:10カ月・12回

■費用
¥2,200,000(自由診療、モニター割引適応)

■リスク・副作用
残った歯に被せる際、一時的にしみたり、痛みが出る場合があります。

お問い合わせ・ご相談

お一人お一人しっかりとお時間をおとりして
診療しております。
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